gigiのブログ

国際結婚の末の家族生活の日々

静かに変化していく日々

アルコールとドラック、先に断つことができたのはアルコールだった。アンタブスのおかげだろうか。代わりにコーラを飲むようになった。


黒たばこのヘビースモーカーでもある彼は、極端にエスプレッソコーヒーを飲む量が増えて一日に十杯を数えるようになった。


ある日一緒にスーパーへ買い物に行った。飲料水売り場でノンアルコールビールを買おうとするルームメイト。わたしは間髪入れずに彼の行動を否定して買わせないようにした。
時々急に苛立ったり、キレたりと温和に1日を暮らせる日はとても少なかった。


尿検査で陽性になることが月に一回程度になり、やがて連続して陰性が一ヶ月、二ヶ月と続き、良い兆候が見られるようになった。そんな自分を、


「僕は一人でやめたんだ。お前はパートナーなのに何も手助けしてくれなかった。心配して手伝ってくれるのは僕の両親や親戚だけだ。」


と、ことある度に嫌味ったらしく言葉を投げつけてきた。


穏やかな言葉を彼の口から聞く日は来るのだろうか。



ルームメイトは運動を始めた。だが、マラソンをしても続かず、人に自転車を借りて走ってみるもこれも続かず、続かない理由を


「一人でやるスポーツは嫌いだ。」


などと言う。


「それなら誰かを誘ってなんでもできるものをやれば。」


と、わたしが言うと、スカッシュなどのテニス系のスポーツを数ヶ月してみるも続かず。この後、水泳を始めてはやめ、山登りを始めてはやめ、とその都度スポーツ用品店に行っては無い金を使って色々と買い求め、揃えては数ヶ月後にはお蔵入りとなるのだった。


そんなルームメイトを見て、「縄跳びを一回も飛べない、アキレス腱がどこにあるのか見えないゾウの足では無理だろう。」と、わたしはの心の中で独り言をいうのだった。



仕事の方はと言うと、アルバイトもスポーツ同様転々として、ああでもないこうでもないと言い訳をしていた。それでも、知り合いの仕事場でアルバイトから正社員になり、リストラになる前に働いていた頃の半分以上減った給与でも、わたしには十分だった。この頃にはわたしの給料が数年前に比べて随分と良くなっていたので、なんとか経済的には安定した暮らしが送れた。


ルームメイトの両親に電話してくれた親友は、あの日からほぼ毎日、遠距離恋愛をしている彼女のようにルームメイトに電話を掛けてくれたのだった。ある時には一日に二回以上も。彼らは数年前に些細な事がきっかけで連絡が途絶えていたのだが、今回のことがきっかけで学生時代の頃のように親友に戻った。


人と人の巡り合わせは不思議なもの。時としてなぜか離れたり、急に接近したり。必要にして善というものなのだろうか。

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