gigiのブログ

国際結婚の末の家族生活の日々

回想 〜 子宮外妊娠

わたしは子どもを妊娠する三か月程前に一度妊娠している。


でもそれは、子宮外妊娠だった。


妊娠がわかり病院へ行くと、子宮内に着床が見られないと言われた。その時は医師から、妊娠したばかりだと子宮内部に確認できないこともあるので、日を改めて来るように言われた。そして、改めて診察に行った時にそこで初めて子宮外妊娠と診断された。


卵管にとどまったままの受精卵は子宮へおりることはなく、卵管で成長してしまった場合は卵管が破裂するという。


わたしはその日にお尻に注射をされ、受精卵がこれ以上大きくならないように、そして自然に消滅する治療を受けることになった。


数か月安静にするよう言われた。特に痛みもなく、いたって体調は普通だったので、あまり子宮外妊娠という言葉がピンとこなかった。


この頃のわたしは、国をまたいだ生活をしていて、暫くこの国で、ある知り合いの家に住まわせてもらい療養することにした。そして、現在の夫であり、わたしがルームメイトと名付けたこの彼と会ったり、産婦人科へ一緒に行ったりした。昼間は知り合いの家で一人パソコンに向かったり、本を読んだりしてのんびり過ごしていた。


ある日の夕方六時頃、いつものようにパソコンで書きものをしていると、突如お腹に激痛が走った。少し経てば治ると思ったのだが、痛みは増すばかりで椅子にさえ座っていられず、床に四つん這いになるしかなかった。


わたしは這いながら必死で携帯電話を探し、仕事中の彼に電話して助けを求めた。彼の職場からわたしがいる家まで車で約三十分。


この国の言葉も分からないあの頃のわたしは、どんな言葉でどうやって彼に助けの言葉を叫んだのか、あまり記憶にない。


彼が来るまでに意識がなくなってしまうかもしれないと思い、這いつくばって玄関ドアの鍵を必至で開けに行った。そして、助けが来るまでの間、わたしは立ち上がる事も体勢を変えることもできず、四つん這いのまま、声を上げ涙を流し続けた。

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