そして今
わたしには他にもまだやることがあるのだろうか。人間としてこの世に生まれ、そして新しい命を授かった。
ひとり娘は小学校高学年になり、反抗期が始まったのか、わたしと時折りぶつかりながらも毎日元気に学校へ通い、好き嫌いをはっきり言うとても元気で少し不思議な少女になった。
この娘の父親である世間一般にいうわたしの夫は、ここ数年やっとまともになれたと少しずつ認識するようになった。
まとも、というそれがいいのか悪いのか分からないが、家族三人の生活が始まって十年以上が経ち、ようやく安眠できる毎日が続くようになったこの生活を、有り難く思いはじめている。