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国際結婚の末の家族生活の日々

gigiのブログの新着ブログ記事

  • 自由

    気付けばルームメイトの暮らしぶりがすこぶる健康的になっていた。 昔があまりにも酷かったのでそう思うのだろうか。 二人の給料を合わせれば、我が家の収入はこの国の平均水準を上回り、余裕ある生活になっているではないか。 何という奇跡。 数年前に引っ越した時、万が一、何があってもいいようにわたし一人の稼ぎ... 続きをみる

  • 人類みな兄弟

    最近めっきりストレスが減った。 朝の五分間ストレッチをするようになったのは、心に余裕ができたことの表れだと思う。仕事もいっときのような目まぐるしさは無くなり落ちついている。良かった。 ある日、子どもが唐突に言った。 「友達のお母さんとお父さんが別居したよ。」 わたしはその家族を少しだけ知っていた。... 続きをみる

  • 回想~子宮頸部異形成

    子どもがもう直ぐ二歳を迎える頃、わたしの体重は更に六キロほど落ちていた。 朝から晩まで働き、夕方からは子どもに付きっきり、疲れすぎて子どもに夕食を準備することもできず、ベットにうつ伏せに倒れ込んでいたこともあった。 うっすらと目を開けると、羽毛布団の白い雲の向こうには、子どもが何となく心配そうな目... 続きをみる

  • 悲劇の救急外来

    直ぐに病院へ到着したものの、日曜日の午後の緊急外来はとても混んでいた。 待合室には流行りのインフルエンザと思われる患者がざっと三十人は座っていた。 彼に支えられながら、私たちは受付で状況を話した。だが、どうも私たちを疑っている様子。出産を終えたばかり、どこに住んでいるの、赤子をなぜ連れてこなかった... 続きをみる

  • 退院後の悲劇

    退院は出産から二日後の金曜日、昼過ぎだった。 もうしばらく入院していたかったのだが、もう家に帰っていいという。でも、メスを入れたところ、出産の後ふた針縫った会陰切開した箇所が異常に痛む。 何度か痛み止めの注射を腰に打ってもらい、その時は楽になるのだが、時間が経つとまた痛むのだった。 家に戻ってから... 続きをみる

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  • 出産の水曜日のこと

    予定日になっても陣痛の痛みをほとんど感じなかったので家にいたのだが、彼に連れられるままに産婦人科へ行った。診てもらうも子宮口があまり開いておらず、毎日一時間くらい歩いたり階段を上り下りするように言われた。 いっこうに陣痛がないので、その数日後も心配になって産婦人科へ。子宮口はだいぶ開いてきたという... 続きをみる

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  • 過去の決意

    どうやってあれほどに辛い過去の日々を生き抜いてきたのだろう。耐えに耐え抜いて辛抱してこれで本当に良かったのだろうか、後悔も多い。 幼い子どもを連れて、彼から逃げて新しい生活を始めようと思ったけれど留まった理由は、成人した子どもが父親を探し当ててしまった時に、辛い思いをさせたくなかったからだった。 ... 続きをみる

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  • 平安を求める日々

    あまりのルームメイトの不摂生と、わたしのストレスや病院がらみの過去が長かったために、少しずつ変わりつつある今までにない平穏な生活に、時折妙な不安を抱えることがある。 そして、普通に生活できるのは新たな不幸の予兆なのではないか、と思うこともある。 罵り合いのない生活、声を張りあげることのない日々、様... 続きをみる

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  • 修復できるのか

    その後ルームメイトは、アンタブスの服用を勝手に自分の意思だけでやめてしまった。 わたしが大反対した新しい仕事は順調、運動も続けている。 わたしに気に入らない事があると、「俺は出ていく」が口癖だ。 「どうぞ好きなように。」 と、いつも本気で言っている。勝手に出て行けば離婚裁判はわたしには有利、過去の... 続きをみる

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  • 回想〜腹腔鏡下手術

    一般病棟へ移り、順調に回復、そして退院することができた。 腹部にはヘソの下、左右骨盤の上あたりに、全部で三か所それぞれ二センチメートルほどの切開の跡が残った。特にへその下は傷口が大きくホッチキスで数か所とめてあった。 腹腔鏡下手術で右側の卵管を切除したということだった。 子宮外妊娠が分かり、受精卵... 続きをみる

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  • 回想 〜 ICUで目覚める

    目が覚めた。 唇が異常に乾燥している。 少しずつ目に映るものから状況を把握するわたし。 「生きている」 と、心の中で声がした。 体はずっしりと重く、首を少し動かせる程度だった。 ICUといってもベットが20台くらいある大部屋で、とても明るかった。 目を細くあけたままぼーっとしていると、看護士と思わ... 続きをみる

  • 回想 〜 子宮外妊娠

    わたしは子どもを妊娠する三か月程前に一度妊娠している。 でもそれは、子宮外妊娠だった。 妊娠がわかり病院へ行くと、子宮内に着床が見られないと言われた。その時は医師から、妊娠したばかりだと子宮内部に確認できないこともあるので、日を改めて来るように言われた。そして、改めて診察に行った時にそこで初めて子... 続きをみる

  • 運動の効能

    早いもので引っ越しから4年が過ぎた。 子どもは『つ』で数える歳よりも大きくなった。 最近のルームメイトは、もっぱらマラソンに勤しんでいる。何かに取り憑かれたかのようだ。 数年前どんなスポーツをやっても続かなかったころは、まさかこんな日が来るとは思ってもみなかった。 タバコをやめた後、七十キロ台前半... 続きをみる

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  • 職場を転々とする

    引っ越して新しい町で一年が過ぎた。 川の字になって床で寝ていたのがベットになり、そしてソファーも新しく購入した。 ダイニングテーブルは相変わらずキャンプで使うアルミ製の折りたたみテーブルに、背もたれのない折りたたみ椅子。 金銭感覚のないルームメイトは銀行からお金を借りて早く揃えたいと言うが、払うの... 続きをみる

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  • 禁煙

    ある日、ルームメイトが、禁煙するという。担当のカウンセラーは、未だそこまでするのは早すぎると言っている。わたしもそう思った。だが、頑固な彼は禁煙も始めた。 確かに子どももわたしも「タバコ臭い。」といつもバイ菌扱いしていた。彼の直系の家族、親戚はみんな喫煙者、彼も黒タバコを一日一箱吸っていた。幼い頃... 続きをみる

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  • 引っ越し

    私たちは住む場所を変えることになった。都心から八十キロメートル近く離れた、駅も無い小さな町の暮らしにはこれ以上耐えられなかったし、バイリンガル、いやトレリンガルになろうとしている子どもの成長や可能性を狭めたくなかった。 この小さな町は昔から住んでいる人たちが牛耳っていて、その人達とうまくやっていけ... 続きをみる

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  • 静かに変化していく日々

    アルコールとドラック、先に断つことができたのはアルコールだった。アンタブスのおかげだろうか。代わりにコーラを飲むようになった。 黒たばこのヘビースモーカーでもある彼は、極端にエスプレッソコーヒーを飲む量が増えて一日に十杯を数えるようになった。 ある日一緒にスーパーへ買い物に行った。飲料水売り場でノ... 続きをみる

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  • ある知り合いの話

    子どもの学校が終わると、多くの親たちはその足で近くの公園へ行き、子供たちを遊ばせていた。そして大人たちは井戸端会議で時間を潰すのだった。 小さい町なので皆顔見知りではあるが、その中でも自然とグループができる。そうした中で知り合った気の合う若いお父さんと時々話をするようになった。 ある週末、ルームメ... 続きをみる

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  • 耐える

    この後の二年間は「耐える」この言葉に尽きる。わたしはルームメイトに依存症を治すために入院を勧めたが、一向に受け入れなかった。 「僕は父親のように入院しなくても自分で治せる。」 と言いはる。父親以下にはなりたくないという気持ちからか、一人で入院治療と戦うのが怖いのか。 彼は週二回の定期的な尿検査とカ... 続きをみる

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  • 不整脈

    ある冬の土曜日の午後。私たちは明日予定している子どもの誕生会準備の買い出しに行こう、と話していた。ルームメイトは、リビングを行ったり来たりと落ち着きがない。 すると突然、 「調子が悪い、どこがおかしいのか分からないけど、おかしい。」 と言って、ゆっくりとダイニングの椅子に腰をかけた。一体どうしたと... 続きをみる

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  • アルバイトを始める

    ルームメイトはアルバイトを見つけ、夕方から深夜にかけて働きに出るようになった。 車を持っていなかったので、わたしの車で行くという。いやいや、何言ってるのかな、わたしも夕方とか車必要だし。 すべてにおいて考え方が浅いというか、自己中心的なのだ。 「バスで行け。」 とわたしは行った。すると、 「えっ、... 続きをみる

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  • 依存症カウンセリング C診療所

    リストラが少なからずとも良い方向に作用したのか、友人達の行動が効いたのか、当初ルームメイトは行きたがらずかなり手こずったがが、それでもようやく真の精神科医カウンセラーがいると思われる施設、C診療所に通うようになった。 ここはアルコールやドラックを断つ決意をした人が通う専門施設だ。 ここは月に一度の... 続きをみる

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  • 依存症カウンセリング B診療所

    A診療所からの連絡を受けてB診療所へ通うようになった。 また信用できないカウンセラーに当たるであろうことも何となく目に見えている。それでも、自分たちが住む小さな町の診療所なら、町の誰かがいつも見ているから情報を貰いやすいと思ったのだ。この診療所の受付担当は顔見知りだったので、ちゃんとカウンセイング... 続きをみる

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  • 依存症カウンセリング A診療所

    何年ぶりかに電話で息子の親友の声を聞いたこの両親は、ようやく動き出した。電話を受けた数日後、この両親は息子を連れて両親が住む町の診療所へ行った。この町はルームメイトが生まれ育った町でもあった。 三人はカウンセラーと面談をした。二回、三回と毎週通った。 ある日、カウンセラーが、 「お父さんとお母さん... 続きをみる

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  • 親友の助け

    わたしの疲労は限界を超えていた。ルームメイトの親兄弟、親戚はどうしようもなく使えない。わたしには頼れる友達もいない。ルームメイトはわたしのいうことなど耳を傾けないので、彼を変えることは難しかった。そしてたどり着いたのは、彼の友人に助けを求めることだった。 ルームメイトの友達のなかで最も育ちがよく人... 続きをみる

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  • 辛い日々

    日中は昼食時間を忘れるほど多忙な毎日だったので、嫌なことは考えずに済んだ。夜、ルームメイトがなかなか帰ってこなくて嫌な予感がした時は、警察に電話して、 「夜中にDV受けるかもしれませんので、予めこの電話番号を控えておいてください。住所も連絡しておきます。DV受けたらまた電話します。」 と、この後起... 続きをみる

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  • 被害者のためのカウンセリング

    初めてのカウンセリング。どうしてわたしだけがカウンセリングを受けなくてはならないのかと質問したが、ここはDVを受けた人や家族環境に問題を抱えている被害者がくる場所で、依存症の人が来るところではないという。 依存症本人のカウンセリングというのは、その人自身がカウンセリングに行く気になることが治療の第... 続きをみる

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  • 町の相談所へ再び

    再び相談所へ行く日がきた。子どもは託児所、会社は半休をとり一人でいった。相談所のドアを開けると、今日もサンダルの担当者、のほかにわたしより年上でこれといって特徴のない女性が待っていた。そして直ぐに面談は始まった。 結果として、DVも受けることがあったわたしはルームメイトから離れて暮らすという提案を... 続きをみる

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  • 町の相談所

    小さな町の唯一に大通りに面した相談所の玄関へ足を踏み入れた。二歩目の左足で前に進むと、直ぐに受付のカウンターに到達。その受付にはスネ毛にサンダル半ズボン、はげあがり気味の髪を伸ばしたのを輪ゴムで結った、わたしと同世代と思われる、幸の薄そうな男性が一人いた。 相談所の入り口まで送ってくれた警官は、 ... 続きをみる

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  • 警察に相談

    とうとう子どもが危ないと追い込まれ、気持ちを決めた日、わたしは昼寝している子どもをベビーカーに乗せ、歩いて町交番へ向かった。側からみればベビーシッターのアジア人だと姑にからかわれた虚しい思い出が蘇る。 交番に着くと、三十代半ばの白いぷよっぷよの男性警官が一人で暇そうに受付に立っているのが見えた。話... 続きをみる

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  • 依存症

    子どもが二歳の頃、このルームメイトがアルコール依存症でドラックも常用していることを確信した。なんでもっと早く気づかなかった、どうしてその時に離婚しなかった、と言われればそれまで。 人は一人ぼっちだと、自分が間違っているのだと思い込んだり、まだ我慢できると勘違いしてしまうものなのだ。わたしはわたしな... 続きをみる

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  • わたしの夫はソールメイトではなくルームメイト

    これまでの日々、毎日不安で仕方なかった。そして自分が忙しくなることで、その不安を少しでも思い起こさないようにしてきた。 寝ている間に何か起こったらどうしようと思いながら目を閉じ、朝目覚めるとその日一日を按じながら急いで支度をして仕事に向かい、平常を装って生活していた。 夫という普通名詞で彼を表現す... 続きをみる

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  • そして今

    わたしには他にもまだやることがあるのだろうか。人間としてこの世に生まれ、そして新しい命を授かった。 ひとり娘は小学校高学年になり、反抗期が始まったのか、わたしと時折りぶつかりながらも毎日元気に学校へ通い、好き嫌いをはっきり言うとても元気で少し不思議な少女になった。 この娘の父親である世間一般にいう... 続きをみる

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