依存症カウンセリング A診療所
何年ぶりかに電話で息子の親友の声を聞いたこの両親は、ようやく動き出した。電話を受けた数日後、この両親は息子を連れて両親が住む町の診療所へ行った。この町はルームメイトが生まれ育った町でもあった。
三人はカウンセラーと面談をした。二回、三回と毎週通った。
ある日、カウンセラーが、
「お父さんとお母さんが毎回同伴されますが、面談にまで付き添っている必要ありませんから。」
と言ったそうだ。
四十近い息子と六十を遠に超えた父と母。特に母親は、息子のことを園児のように今でも扱っているのではないか。長い間ほったらかしてきた親子の問題、家族の問題が、こうして結果として現れたのではなかろうか。
カウンセリングに行った日の夜、いつもわたしは、どんな風だったかをルームメイトに問いただした。
四回、五回とカウンセリングは続けられた。
話を聞いていると、どうやら担当カウンセラーは事務処理のみ、両親はただ通わせてさえおけば治ると勘違いしているようだ。
ルームメイトはカウンセラーに嘘をつき続けて日々の生活を語り続ける。
何が変わるであろう。カウンセラーの人は、本気で仕事しているのだろうか。
らちがあかないので、わたしはこのカウンセラーに直接電話して現状を話し、少なくとも私たちの住む町の診療所に通うように変更してもらい、わたしがカウンセラーともっと簡単にコンタクトを取りコントロールできるようにした。
ルームメイトの両親、ダメだこりゃ。