gigiのブログ

国際結婚の末の家族生活の日々

被害者のためのカウンセリング

初めてのカウンセリング。どうしてわたしだけがカウンセリングを受けなくてはならないのかと質問したが、ここはDVを受けた人や家族環境に問題を抱えている被害者がくる場所で、依存症の人が来るところではないという。


依存症本人のカウンセリングというのは、その人自身がカウンセリングに行く気になることが治療の第一歩というのを、後で知ることになる。


わたしの担当になったカウンセラーは、わたしより若い女性。人生経験はなさげで体格的には頼り甲斐のある学生上がりのような人だった。


話の内容と言えばいつも、


「口喧嘩をするときにはね、冷静に。絶対に熱くなってはダメ。」


どんな相談をしても、最後はいつもこの言葉でまとめるカウンセラー。


わたしはこのカウンセリングに月に二回程度、一年間も通ってしまった。仕事先には婦人系疾患の治療で遅刻すると言い、残業時間を消化することで補っていた。


カウンセリングの日はだいたい決まって八時四十五分からの面談だった。だから朝は出勤せず家族三人で朝食をとり、ルームメイトには隣町の役場に定期的に書類を提出する業務があるといい続けた。


なんの疑いも持たない彼。自分が疾しいことをどうやって隠すか、嘘つくことに全エネルギーを注ぐ毎日なので、わたしの嘘を疑っている暇などない。もともと性格的にも鈍感で縄跳びが一回も飛べない運動音痴も功を奏した。


何故、一年もの間通い続けたのだろうか。それは証拠を残すためでもあった。一年通ったところで特に大きな進展はなく、最後まで胸のうちを分かってもらえることなく、もやもやした気持ちのままだった。


カウンセラーは自分の業務を淡々とこなすだけ、親身になって話を聞く素ぶりは見せているように頑張っていた彼女。そういう裏側が見えてしまうわたしは、虚しい気持ちで、彼女の業務のために時間を費やしたような気もした。


こうして公的機関に証拠を残すという目的を終えた。

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